適当刊・伴幸一郎の一本勝負

日刊でも、週刊でも、月刊でもありません。「適当刊」です。気が向いた時に書きます。

万が一乗車中のバスの運転手が意識を失ったら・・・

うめき声上げ運転手意識失う、乗客がバス停める(読売新聞)
https://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/ASLCH433GLCHONFB00H

昨日のニュースです。毎年何例かこの様な事故のニュースを目にします。
もちろん出庫前には「人」も「車」も点呼・点検を受ける。それでも発生する。心疾患は予兆なく、発生する事もあるので画一的に運転手がー、運行管理者がー、会社がーとは言い切れない。別ソースのニュース記事によると、直近の健診で異常はなく、当日の出庫前点呼でも異常はなかったと言う。

原因の究明などは警察や国交省地方運輸局にお任せするとして、万が一乗車中のバスの運転手が意識を失ったら!どうするのか?に焦点を定めてブログ記事にしようと思います。先日のツイートでも発言しましたが、運転手本人や運行会社を叩くつもりは毛頭ございません。運転手や運行会社を叩くのであれば、回れ右してお帰り下さい。

運転手が意識を喪失していると気づいた段階でやるべきことは二つ。非常事態が発生していること他の車に知らせる事。そして出来る限り安全に車を停止させる。今年の夏頃に日野自動車の大型バス「セレガ」に運転席・客席(最前列左右)の両方にある非常スイッチ押下することで(緩やかに)非常ブレーキが掛かる車両が発売されたが普及はまだまだこれからだろうと思います(はとバス等数社が導入したようですが)。そこで非常時の操作方法について説明してみようと思います(間違い等ありましたらプロの方・心得のある方、ご教示下さいますとありがたいです)。文章で全ては説明できませんが、記憶の片隅程度に置いて頂ければ幸いです。

運転手に声を掛けたり、揺すったり、叩いたりしても意識が(正常な状態に)戻らないとわかった段階でまず「ハザードランプ」を点灯させましょう。乗用車とは違い左コラムスイッチを上に上げる(乗用車のワイパースイッチでウォッシャー液を出す)操作をするとハザードランプが点灯します。車種によっては乗用車同様に運転席左側にボタン式のハザードスイッチがあるものもあります。非常事態ですので、同時にクラクションを連打するのも良いでしょう。クラクションは乗用車と同じ操作です。ただハンドルがデカいだけです。

その間に協力者いれば運転手を引き摺り出すなり、足をアクセルペダルから離しましょう。その際も車両が蛇行しない様、ハンドルはシッカリと持ってください。車両の見た目ほどハンドルは重くありません(パワステついてます)。

ここからは車両を「出来る限り安全に停める」事に注力します。大型車両のブレーキは非常に強力です。乗用車の感覚でブレーキペダルを踏むと超急ブレーキになります。また大型車のペダルには右からA(アクセル)、B(ブレーキ)、C(クラッチ)とアルファベットが刻まれています。停車が目的なので真ん中のブレーキペダルの場所を確認しゆっくりと踏み込みます。出来る事なら乗降スペース残して左側に寄せるのが理想的ですが、それは二の次で、出来る限り安全に停車する事だけを考えて下さい。車が停まったら運転席左側の駐車ブレーキレバーを引き上げ完全に車を停めます。キーを回してエンジンを止めてしまっても構いませんが、車が停まれば大方のバスはマニュアル車なのでエンストするでしょうから、ドアスイッチを押下するなり、非常コックを使ってドア開けて逃げて下さい。

そこからは意識を失った運転手の救急車要請の119番通報及び救命処置(胸骨圧迫やAEDの使用)、事故発生時の110番通報、高速道路であれば、NEXCOへの通報、可能ならばバス会社への連絡をしておけば概ねやるべき事はやったと思います(現状考えつく範囲ですが)。

と、ここまでとりあえず普通免許を持っている人向けにバスの運転手が意識を失ったらその時あなたは!と記事をまとめてみました。法律家ではないので、「大型免許ないのにバス動かしたら違反になるだろ」と言われます。通常時にやったらもちろん無免許運転になりますが、各種文献を読む限り「刑法第37条・緊急避難」が適用されると考えれています。

もちろん大型の心得がある方ならもっとスマートに車両を操作するでしょうし、リターダー(補助)ブレーキや変速操作をして最寄りの安全地帯まで走らせると思います。

そもそも状況はそれぞれ異なるのでこれが正解とは言い切れませんが、とりあえず思うところを書いて見ました。その状況に遭遇してこれを出来るかと言われたら無理でしょう。万が一遭遇してしまったら乗客同士で協力して「出来る限り安全に車両を停める」事を第一に対応してもらえればと思います。