適当刊・伴幸一郎の一本勝負

日刊でも、週刊でも、月刊でもありません。「適当刊」です。気が向いた時に書きます。

海外からの実習生  現場で見た話(前編)

技能実習に「宿泊業」追加=新在留資格の人材確保狙う(時事通信社-gooニュース)
https://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-181124X073.html

本音と建前。少なくとも実習生を受け入れている企業であれば、表だって言わないだろうけど、何かしらの本音と建前は存在するだろう。

かつて勤めた企業(読者の方はなんとなく察しがつくだろう、某宿泊施設です)にも、中国人の実習生がいた。所属自体は別部署ではあったが、仕事(本来、実習と言うべきか?)には非常に真面目に取り組んでおり、言葉の壁と言う高いハードルもあるところを考慮すると同じ年代(20歳前後)の日本人の社員よりよっぽど仕事をすると言うのが私が受けた印象である。現場レベルの人間からすると同じ様に見ている者が多かったと思う。

少ない実習報酬から、日本へ実習をするための費用を返済し、さらに実家へ仕送りをし手元に残るのは数万円程度。よく一本の缶ジュースを2人で分け合って飲んでいたのを見た。寮費や食費(2食)は無料とは言え数万円では何もできない。それで実習生の余暇が云々と言えたものだと憤慨したものだ(結果、しでかすがここでは触れないでおく)。
日用品の買い物も路線バスに乗ると往復1500円程するし、従業員用の送迎バスもタイミングが微妙に合わない。よく彼女達のシフトに合わせて、私も休日にして車を出したもんだ。「外に出た時くらい好きな物食え」と昼食をご馳走するのが恒例になっていた。ちなみにダントツで回転寿司が人気ナンバー1だった。特にサーモンが人気だった。マクドナルドもよく行った。
季節のイベントにもよく巻き込んだ(と言うのが適当と思う)。他の部署や近隣施設の若手を集めて、春には花見、夏には海水浴(湖水浴)へ、冬にはさっぽろ雪まつり。彼女達の本音・真意は不明たが、スマホで写真をたくさん撮り、キャッキャッしていたところを見ると楽しんでくれていたのだろう確信している。私のPCにも当時の写真が残っている。そして数年経過した今でもたまに連絡をくれると嬉しいものだ。日本で就職を決めた者もいる。
当時は理解のある上長が多数いたもんで、何かを始めるとそこそこ額カンパしてくれた(結果的に期待値を掛けてくれていた上長達の意向に応えることが出来ず、申し訳ない事をした事実は記しておこう)。とても現場レベルの理解はある会社だったと思う。感謝。

仕事の話をすると、顧客向けにに「海外からの実習生が勤務しております(日本語として微妙だが)何か不都合がございましたら日本人のスタッフまてお聞かせください」とアナウンス(ポップ)を出しても、悪質なクレームは一日一度以上ある。レストラン会場だと、アルコールが入っているケースも多い。通常、客商売・サービス業なので往々にしてなだめるのが筋なのだが、私はこの件で何度か客(支配人曰く「既に客ではない!言っていた」)にキレた事が数度ある)。
大規模な会場だと、スタッフはインカム(トランシーバー)を使用してる事が多い。私は、レストランが本職ではない。だが、過去に他社でレストランのホール勤務の経験があり、かつ私物のインカムを使用してヘルプ勤務に行っていた(むしろ行かされていた気が?ほぼ毎日。直属上長とはあまり関係がよくないから報復か?)。結果、レストラン担当のマネージャーから「謎の」信頼を得ていた様で、比較的暇な日や逆に忙しすぎて人がいない日には本職さん料理回りに張り付くため、ホールを丸ごと「頼む!」と任される事も多々あった。とうせならレストランを本職にしたかったですよ( ;∀;)
なので、実習生からの「ヘルプコール」があると広いレストラン会場を東奔西走する事となる。内容もこちら側に非がある物も全くゼロとは言わないが、こりゃクレームでもないただの言いがかりだろうと思われる物が9割以上(主観)と記憶している。内容については伏せるが、人権問題になりかねない事をツラッと言った某○○党の××さんと仲間達...あなた方の事は‘絶対’に忘れませんよ。

余談ではあるが、もし各地の宿泊施設等で彼女達の様な実習生を見かけた時には、大変恐れ多い事を申しますが温かい心で見守って頂けます様お願い申し上げます。また彼女達からサービスを受ける機会があったら「ありがとう」「ご苦労様」や「頑張って」等と一声掛けてあげて欲しいと思います。何より彼女達の励みになりますし、より一層のおもてなしをしてくれる事だろうと思います(もう一つ言うと、出来ます事なら、ネガティブな面は責任者等に直接言って頂けると尚ありがたく思います)。まあ、あえて言わなくともきっとこの読者なら大丈夫だと思うが。

少し長くなったので、記事を分割したい。
次の記事で実習生を受け入れる企業の本音的な部分について記したいと思う。